Q.14 GMOの表示の仕方は日本、米国、欧州で違うそうですが、どのような点が異なるのですか。 | |
質問分類 | 5.遺伝子組換え食品の表示について |
質問 | Q.14 GMOの表示の仕方は日本、米国、欧州で違うそうですが、どのような点が異なるのですか。 |
回答 | 日本の食品衛生法では、消費者に食品の内容を理解できるようにするため、遺伝子組換え食品であるか、非遺伝子組換え食品であるかの区分について、表示を行うことになっています。 分別生産流通管理が行われていない場合は、遺伝子組換え食品が含まれている可能性があるので、遺伝子組換え食品と非遺伝子組換え食品が分別されていない旨「遺伝子組換え不分別」を表示する必要があります。また、非遺伝子組換え食品については、義務表示とはしていませんが、事業者が任意に「遺伝子組換えでない」旨を表示することは禁止していません。表示義務の対象については、食品衛生法に基づき、既に審査済みの遺伝子組換え食品と同一の科に属する作物(大豆、トウモロコシ、菜種、ばれいしょ、綿実)である食品及びこれを原材料とする加工食品が対象となります。加工食品については、全原材料中重量で上位3品目で、かつ食品中に占める重量が5%以上のものが対象になります。また、日本では非組換え食品中の意図せざる混入については、5%という閾値を設定しています。 米国では、食品(獣肉及び鶏肉は除く)および食品添加物は、食品医薬品局 (Food and Drug Administration, FDA) が管轄しています。 これまで、1992年5月に公示された「新たな植物品種に由来する食品に関する政策」に基づいて、個々の遺伝子組換え食品について安全性の審査を行っています。遺伝子組換え食品及び飼料について、安全性審査を受けることは法的には義務付けられていませんが、商品化にあたっては販売の120日前にFDAに事前に通知することや、資料を提出することが求められています。 表示については、既存の食品と明らかに異なる("significantly different")場合(栄養素の改変や新たなアレルゲンが存在する場合など)には、成分を表示をしなければならないとしていますが、遺伝子組換え食品であるかどうかの表示は任意であり、義務化する制度は存在していません。 EUでは、2002年10月に施行された「2001/18/EC 遺伝子組み換え体の意図的環境放出に関するEC指令」に基づき、遺伝子組換え生物の安全性を確認しています。商品化にあたっては、まず、上市する国に申請して安全性の確認を受け、その後、他の加盟国とEUによって安全性審査を受けます。さらに、2002年7月に、欧州議会で遺伝子組み換え食品および飼料について、表示やトレーサビリティ(追跡可能性)に関する法案が承認されています。表示に関する法案では、遺伝子組換え食品の表示は、全ての食品と飼料、添加物について義務化されています。表示の方法は、"この製品は、遺伝子組換え体を含む"または"…遺伝子組換え(作物名)から製造"と記することが義務付けられており、含まれていない、不使用などの表示は認められていません。また承認を得ている農作物については、分別管理をしていても偶発的に組換え体が混ざってしまった場合、技術的に避けられないことが判明すれば、原材料中に占める割合0.9%未満は許容されています。また、安全性審査が終了していない遺伝子組換え体についても、意図せざる混入を認めることとし、0.5%の閾値を設定しています。 (参考文献) ・厚生労働省食品保健部企画課長・食品保健部監視安全課長通知(平成13年3月21日)「遺伝子組換え食品に関する表示について」 ・農林水産省農林水産技術会議事務局「組換え農作物早わかりQ&A」 ・バイテク情報普及研究会HP海外の状況 (http://cbijapan.com/l_overseas/l_overseas.html) |