Q.3 人間が長い間食べている作物にも毒(植物毒)があると聞きましたが、どんな毒があるのですか。 | |
質問分類 | 1.遺伝子組換え食品の健康への影響について |
質問 | Q.3 人間が長い間食べている作物にも毒(植物毒)があると聞きましたが、どんな毒があるのですか。 |
回答 | 植物は動くことのできないものが多いため、体内に毒を持つことによって、外敵による捕食を受けないように自分を守っていると考えられています。植物毒はこのようにして植物が生産する毒性物質の総称で、通常、タンパク質ではなく、もっと低分子の特殊な構造をもった化学物質です。具体的には植物アルカロイドと呼ばれる窒素を含む塩基性化合物の一群がもっともよく知られており、約500種類以上あるとされています。タバコのニコチンや薬用植物である麻黄からとれる医薬品のエフェドリンも植物アルカロイドに属します。アルカロイドは毒性だけでなく、様々な生理活性をもち、植物の生体防御以外にも役立っていると考えられます。 一般的な作物にもアルカロイドの毒を持つものが数多くあります。例えば、ジャガイモのソラニン、トマトのトマチンなどが有名です。このほか、ヒマの種子に含まれるリシンなどのレクチンと呼ばれる物質、青い梅などに含まれるシアン化合物も植物毒として知られています。 人類は長い歴史の中で、作物のもつ植物毒を安全に取り扱う方法を学んできました。食品丸ごとの安全性を考えるときは、そもそも食品には健康に影響を与えうる様々な物質が含まれており、これらを含めて経験的に安全な食べ方をしてきたことを考慮することが必要です。 |