Q.5 実質的同等性とは何ですか。 | |
質問分類 | 1.遺伝子組換え食品の健康への影響について |
質問 | Q.5 実質的同等性とは何ですか。 |
回答 | 「実質的同等性」あるいは「同等とみなし得る」とは、食品としての安全性を審査するときは、「既存の食品を比較対象として用いる方法」が適用できるということです。 食品は化学物質のように毒性が出るまで大量に動物に投与し、毒性量の100分の1を許容量とすることはできません。また、栄養素や抗栄養素(Q.6)など様々な物質が含まれています。したがって、食品としての安全性を審査するためには、I.まず、比較対象として充分な食経験がある既存の食品を選び出し、II.それと比較した上で、安全かどうかを判断する、という2つの段階が必要になります。実質的同等性は、このI.の比較対象を定める時に用いられる考え方です。 「同等とみなし得る」かどうかの判断は、(1)縲怐i4)の要素について検討します。(1)遺伝的素材に関する事項(宿主及び導入DNAの性質)、(2)広範囲なヒトの安全な食経験に関する資料、(3)食品の構成成分等に関する資料、(4)既存種と新品種の使用方法の相違に関する資料について検討し、そして、当該食品植物と既存のものが、全体として食品としての同等性を失っていないと客観的に判断できるかどうかにより行います。 なお、厚生労働省が行う安全性審査の確認の範囲は、「既存のものと同等とみなし得る組換え体」としています。その理由は、?)そのような組換え体において付加された性質以外の性質については、すでにその安全性が広く受け入れられてきたため、あらためて考慮する必要がない、又は、?)その安全性の審査を行う上で必要とされる知見等の蓄積が十分になされていると考えられるためです。 遺伝子組換え食品の安全性評価の考え方は、国際的には、世界保健機関(WHO)(「バイオテクノロジー応用食品の安全性評価のための戦略」)や経済協力開発機構(OECD)(「バイオテクノロジー応用食品の安全性評価:概念と原則」)、コーデックス委員会(CAC)(「バイオテクノロジー応用食品のリスクアナリシスに関する原則」)においてとりまとめられており、わが国をはじめ、世界各国の安全性評価基準にも活かされています。 参考資料:遺伝子組換え食品Q&A(厚生労働省医薬食品局) 実質的同等性に関する詳しい説明は入門編にもあります。 |