Q.20 遺伝子組換え作物には抗生物質耐性遺伝子が入っていると聞きましたが、どんな遺伝子なのですか。 | |
質問分類 | 7.抗生物質耐性遺伝子の健康への影響について |
質問 | Q.20 遺伝子組換え作物には抗生物質耐性遺伝子が入っていると聞きましたが、どんな遺伝子なのですか。 |
回答 | 抗生物質は微生物によって生産される化学物質で、細菌や他の微生物を殺したり、生育を阻害する働きを持っています。一般に抗生物質は、その抗生物質を生産する微生物の生育は阻害しません。また生産する経路(代謝経路)は、それを生産する微生物のみが持っており、動物細胞には存在せず、動物は抗生物質を生産することができません。 抗生物質耐性遺伝子とは、抗生物質に対する耐性(抗生物質が効かなくなる性質)を与える遺伝子の総称で、抗生物質を分解したり、化学的な構造を変えたりする働きをもつ酵素などの遺伝子のことを言います。遺伝子組換え作物を作製する際、目的の遺伝子が組み込まれたかどうかを判断するため、あるいは組み込まれた株を選抜するために、抗生物質耐性遺伝子を組み込む場合があります。このような遺伝子は、遺伝子が組み込まれたかどうかの区別に使われることから、マーカー遺伝子(抗生物質耐性マーカー遺伝子)とも呼ばれます。 組換え食品の安全性審査においては、抗生物質耐性遺伝子についても審査が行われ、安全性に問題がないと判断された抗生物質耐性遺伝子のみが実用化されます。 薬剤耐性遺伝子については2つの懸念が指摘されています。それはI.抗生物質、耐性遺伝子の植物から細菌への伝達、II.菌が耐性遺伝子蛋白を腸管で発現し薬として摂取した抗生物質を不活化することの2点です。しかし、何れもリスクはゼロに近いことが知られています。(Q.21) |