生命科学系主要プロジェクト一覧

旧:ゲノム・ポストゲノム分野の主要プロジェクト一覧

タンパク3000
プロジェクト名 タンパク3000
開始年度 2002
終了年度 2006
期間 -
予算額 総額535億円
理研334億円、個別136億円、その他66億円

年度別:
95億円(2003年度)
90億円(2004年度)
98億円(2005年度)
86億円(2006年度)
主要研究者(プロジェクト当時の所属機関) 代表研究者:横山 茂之(理化学研究所 構造プロテオミクス研究推進本部)
その他の中核機関代表研究者:
・田之倉 優(東京大学大学院 農学生命科学研究科)
・田中 勲(北海道大学大学院 先端生命科学研究院)
・西村 善文(横浜市立大学大学院国際総合科学研究科)
・若槻 壮市(物質構造科学研究所)
・三木 邦夫(京都大学大学院理学研究科)
・稲垣 冬彦(北海道大学大学院 薬学研究院)
・中川 敦史(大阪大学 蛋白質研究所
・倉光 成紀(大阪大学大学院 理学研究科)
概要 主要タンパク質約3000種の基本構造及び機能解明
プロジェクトの概要 事後評価報告書( http://www.tanpaku.org/old_project/protein02a.php )「はじめに」から引用
 平成13 年2 月にヒトゲノム解読国際プロジェクト(ヒトゲノム計画)において、ヒトゲノムのDNA 概要解析結果が公表された。当時それまで解読されたゲノムの遺伝子を調べたところ、約30%が既にX 線やNMR により立体構造が決定されている蛋白質と相同であり、残り約70%に対応する蛋白質の立体構造が決定されれば、ゲノム情報を対応する蛋白質構造情報へと翻訳できると想定された。
 科学技術会議ゲノム科学委員会「構造ゲノム科学研究における我が国の戦略について」(平成12 年11 月17 日)によれば、1 万〜1 万2 千種類のファミリーを代表する蛋白質構造を決定すれば、上記の残り約70%が決定されると試算され、国際協力により、蛋白質全ファミリー(代表)の立体構造決定を目指し、5〜10 年間で約1 万種類の構造について概要の決定を目指すのが妥当であると述べられており、その中で日本については、国全体の協力体制の構築により、以後5 年間で全ファミリー構造(約1 万〜1 万2 千種類のタンパク質)の約3分の1 以上のタンパク質基本構造(注1)の決定を目指すのが妥当と示唆された。
 このような背景のもとで、「ポストゲノム戦略の推進について」(平成12 年12 月、科学技術会議政策委員会)及び総合科学技術会議分野別推進戦略(平成13 年9 月)に示されている方針及び構造生物学に関する最新の状況を踏まえて、タンパク質の構造・機能解析について推進を図ることとされた。それを受けて科学技術・学術審議会計画・評価分科会ライフサイエンス委員会が取りまとめた「当面の研究開発の推進に関する考え方」(平成13 年8 月)及び「新たに重点的に取り組むプロジェクトの具体的実施方針」(平成14年2 月)に従い、5 年間でタンパク質全基本構造の3 分の1 と見積もられる約3000 種以上の構造及び機能を解析するプロジェクト(タンパク3000プロジェクト)が、21世紀において我が国が真に科学技術創造立国となることを標榜して企画された「新世紀重点研究創生プラン(RR2002)」(注2)の一環として、平成14年度から5年間の計画で開始されることとなった。
主要事業内容(DBCLSによるまとめ) 事後評価報告書( http://www.tanpaku.org/old_project/protein02a.php )から
・蛋白の結晶化と結晶構造解析、及びNMRによる蛋白構造解析によって、約3000の蛋白質の構造を決定
・タンパク質の基本構造を網羅的に解析する「網羅的解析プログラム」と、設定された生物学的課題に関連するタンパク質を解析する「個別的解析プログラム」とで成り立つ。
・「個別的解析プログラム」は、「代謝系」、「脳・神経系」、「細胞内シグナル伝達」、「タンパク質高次構造形成と機能発現」、「翻訳後修飾と輸送」、「転写・翻訳(Ⅰ、Ⅱ)、「発生・分化とDNA複製・修復」の7つの生物学的課題を中心に、全国の大学等にまたがる8つの中核機関と傘下の個別機関が実施。
・両プログラムともに、数量としてはそれぞれの当初目標(前者については、2500種類以上のタンパク質の基本構造、後者については、500個以上のタンパク質の解析)を超える数のタンパク質について立体構造の解析・登録を達成
・構造の大半はwwPDBで公開(入力はPDBJ)、構造解析されたタンパク質数4517(基本構造として4187)、プロテインデータバンク(PDB)登録数が3923、出願した特許数403、論文発表数4195

タンパク3000総合シンポジウム予稿集( http://www.kuba.co.jp/sympo/pdf/protein070227.pdf )p18「タンパク質構造情報からタンパク質機能情報へ」より)。
・2006 年末の時点でPDB から公開されている2,732ペプチド鎖のうち、918 のペプチド鎖が新規構造(既知構造と30%以下の相同性)。そのうち、122 のドメインが新規フォールド(かたち)を持つ。米国PJであるPSIでは、ペプチド鎖数: 1,043、新規な配列: 597、新規なドメイン・フォールド:48。新規配列、新規ドメイン共に、タンパク3000では約2倍の数値

PDBに入っていない実験データの統合DB化が、統合データベースプロジェクトの補完課題( http://lifesciencedb.mext.go.jp/project/hokan.html )で実施中
公開状況 PDB登録数3923件、保留中594件(事後評価報告書( http://www.tanpaku.org/old_project/protein02a.php )より)
データベース公開状況の分類 公開
公開データベース タンパク3000成果データベース( http://p3krs.protein.osaka-u.ac.jp/p3kdb/v_menu.php )
(構造決定フローの情報とPDBへのリンク)
データダウンロードサイト なし
PDBからは、一括ダウンロード可能。ただしPJ分のみの抽出は不可。
公開ホームページ http://www.tanpaku.org/old_project/01.php (ターゲットタンパク研究プログラムのサイト中)
実施省庁 文部科学省
事業化関連 なし
報告書 事後評価報告書( http://www.tanpaku.org/old_project/protein02a.php )
評価報告書 事後評価報告書( http://www.tanpaku.org/old_project/protein02a.php )
その他文献 ・タンパク3000総合シンポジウム予稿集(2007年 2月 27日、 http://www.kuba.co.jp/sympo/pdf/protein070227.pdf )
・タンパク3000-ゲノムネットワーク合同フォーラム 予稿集(2006年 7月 18日、 http://www.kuba.co.jp/sympo/pdf/p3kg2006.pdf )
・「タンパク3000が残したもの」現代化学 No.434
・特集「構造ゲノムプロジェクトの進展」蛋白質 核酸 酵素 VOL.50 NO.7
・「タンパク3000プロジェクト」遺伝子医学MOOK 2号
・Nature 443, 382 (28 September 2006) 'Big science' protein project under fire( http://www.nature.com/nature/journal/v443/n7110/full/443382a.html )タンパク3000に対する記事
・Nature 445, 21 (4 January 2007) RIKEN aids international structural genomics efforts( http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17203040?ordinalpos=2&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum ) 上記記事に対するコメント